『白鳥麗子でございます!』20年ぶりドラマ化の背景と、強烈な「お嬢様」キャラの系譜

 さて、今回の三回目のドラマ化にあたって、白鳥麗子を演じるのは、河北麻友子。鈴木保奈美、松雪泰子に続く三代目に彼女が起用された理由を考えてみたい。

 白鳥麗子を演じるために必要なのは、まずお嬢様的なスタイルがはまる美少女であることだが、そこは、河北麻友子は「全日本国民的美少女コンテスト」のグランプリ受賞者であり、そのスタイルのよさでモデルとしても活躍している、まさに“お墨付き”。加えて、本人が実際に外国育ちのお嬢様であることも、起用の理由に含まれているのではないかと推測できる。

 また、白鳥麗子役に求められるもう一つの必要不可欠な要素は、思いきりのよさである。なぜなら、麗子は、美形のお嬢様であると同時に、リアクションの大きさで笑いをとる“コメディエンヌ”でもあるからだ。実際、1993年版ドラマで主役をつとめた松雪泰子は、「オーホッホッホ!」の高笑いや高飛車で大げさなリアクションなどの体当たりで麗子を演じて、視聴者に強烈な印象を残したことで知られている。

 この点でも河北麻友子は、『世界の果てまでイッテQ!』でリアクション芸人・出川哲朗とともに、ときに芸人なみに身体をはる「出川ガール」として活躍しており、ポテンシャルの高さは十分といえる。つまり、お嬢様スタイルが決まる美貌と、リアクション芸に挑めるガッツの両方をかねそなえているからこそ、彼女が白鳥麗子役に抜擢されたのではないか。

 新しい『白鳥麗子でございます!』は、本日1月14日よりtvkにて放映がスタートする。河北麻友子がその美しさを輝かせ、また、思いきりのよさを大いに発揮してパワフルな麗子を演じてくれることを期待したい。また、他のキャスト陣で気になるのは、麗子の母親役を演じるさとう珠緒。あの長年貫いているぶりっ子キャラを役柄に織り込んでいい味を出してくれるのではないかと、こちらも楽しみにしている。

◼︎田下愛(たおり あい)
フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなし、現在は、映画・マンガ・音楽などエンターテイメントを軸に活動中。著書に「選挙はエンターテイメントだ!」(HK INTERNATIONAL VISION)がある。

◼︎ドラマ情報
『白鳥麗子でございます!』
出演者:河北麻友子、水野 勝、田村侑久、辻本達規、田中俊介、吉原雅斗、大西礼芳、尾高杏奈、上野優華、内藤理沙、さとう珠緒、坂田雅彦、春海四方、 松金よね子
原作:鈴木由美子「白鳥麗子でございます!」(講談社Kiss 所載)
脚本:大谷洋介
監督:久万真路 松岡達矢 水波圭太
制作:キュー・テック
製作:2016「白鳥麗子でございます!」製作委員会
公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/shiratori/

【放送日】
tvk:2016年1月14日(木)23:00~
テレ玉:2016年1月15日(金)24:30~
チバテレ:2016年1月16日(土)23:30~
メ~テレ:2016年1月18日(月)24:20~
KBS京都:2016年1月14日(木)23:00~
サンテレビ:2016年1月18日(月)23:00~
KBC九州朝日放送:2016年1月18日(月)25:50~
とちテレ:2016年1月20日(水)20:00~
RKK熊本放送:2016年1月25日(月)25:28~

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