小林聡美ら、『山のトムさん』舞台挨拶に登壇 「心の中に小さな幸せの種を蒔いてくれれば」

小林聡美、大自然での撮影を振り返る

 12月26日にWOWOWプライムにて放送される『ドラマW 山のトムさん』の完成披露試写会が、昨日12月21日にスペースFS汐留にて行われ、主演の小林聡美ら出演者が登壇した。

 『ドラマW 山のトムさん」は、石井桃子による同名児童文学を『パンとスープとネコ日和』『かもめ食堂』の群ようこの脚本により映像化したもの。東京で暮らしていた作家のハナは、友人のトキと、トキの娘のトシ、そして自身の甥のアキラと田舎での生活を始める。ネズミ退治の目的で飼うことになったネコのトムに振り回されながらも、人間と動物たちが共生していく模様を描く。

 舞台挨拶には、主演の小林聡美のほかに、市川実日子、光石研、高橋ひとみ、伊東清矢、佐々木春樺、もたいまさこが登壇した。

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 ハナ役を演じた小林は、長野県や山梨県で今年の春に行われた撮影を振り返り、「とにかく朝起きるとまず目に飛び込んでくるのが、鮮やかな緑だったりして、毎日気持ち良く仕事場に行けました」とコメントすると、トキ役の市川は「ちょうど初夏の、だんだんお花が咲いたりだとか、ツバメが飛んできて巣を作ったりとか、そのようなとても静かで贅沢な時間を過ごさせていただきました」と振り返る。

 本作で初めての夫婦役を演じた光石と高橋。その感想を聞かれると、光石は「夫婦役は初めてですけど、前に何度か共演もしていましたし、高橋さんとは同い年で」と答え、高橋は「(共演は)初めてではなかったので、リラックスして楽しめました。理想の夫婦です(笑)」とコメントし、会場を和ませた。

 自然や動物に囲まれた場所での撮影の思い出に関する質問が飛ぶと、伊東は「撮影現場の周りも自然ばかりで、環境音も都会とは全然違っていて。撮影の合間とかには寝ちゃったりして、昼寝がすごく多くて怒られたりしたのが思い出です(笑)」と撮影エピソードを明かし、佐々木は「帰る時に鹿が出てきて、目が光ったのが恐かった」と撮影を振り返った。

 小林、もたい、光石らも出演した『パンとスープとネコ日和』のチームにより製作された本作。「もし次のプロジェクトがあったらどういう話がいいですか?」との質問に、もたいは「控え室で佐々木さんとちょっとお話してたんですけど、次は猿山でみんながウッキッキっていうのがいいなって」と答えると、戸惑う佐々木に対して、小林が「体を鍛えといてくださいね」とおどける場面も。

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 最後に小林は、「児童文学は子どもだけのものではないということを、改めてこの原作に触れて実感しました。元は戦後の話なんですが、現代に置き換えられています。でも、携帯電話も出てきませんし、テレビも全然出てこない。その代わりにたくさんの自然と、風や土の匂いなどを感じられるような作品になっていると思います。このドラマが皆さんの心の中に小さな幸せの種を蒔いてくれれば嬉しいなと思っています」とコメントし、舞台挨拶は終了した。

 舞台挨拶後に行われた囲み取材では、改めて作品を観た感想を聞かれた小林が「相変わらず何も起こらないんですけど…(笑)」と前置きしつつ、「撮影自体もゆったりしていて、映画の撮影のようでした。理屈とかでは考えずに、自然の中で暮らす人と同じような感じで楽しんでいただきたい」とコメント。高橋は「(撮影現場から東京へ電車で移動する際、)東京に近づくとだんだん臭くなってくるんですよ(笑)。東京がいかに臭いか」と笑わせつつも、「ひとつひとつの台詞に、『そうだな』と感動する」と、見どころを紹介した。

『ドラマW 山のトムさん』
12月26日(土)21:00〜WOWOWプライムにて放送
出演:小林聡美、市川実日子、光石研、高橋ひとみ、伊東清矢、佐々木春樺、木南晴夏、ベンガル、もたいまさこ
原作:石井桃子「山のトムさん」(福音館文庫)
監督:上田音
脚本:群ようこ
音楽:大貫妙子
制作ブロダクション:ERICE COMPANY
製作著作:WOWOW
公式サイト:www.wowow.co.jp/dramaw/tom/

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