公開150日&動員200万人突破『ラブライブ!』に見る、映画興行「リピーターの時代」到来

 近年、音楽のライブ演出などで「エンターテイメントのテーマパーク化」について盛んに語られるようになっているが、映画館という空間も年々テーマパーク化が進行しているのではないか。多くの人が同じテーマパークにリピーターとして訪れ、同じアトラクションをリピーターとして楽しんでいるように、映画においても作品がヒットする大きな要因として「リピーター」の存在は不可欠なものとなってきている。数年前からそうした観客行動の先駆けとなってきたのが一部のアニメ作品であり、『ラブライブ!The School Idol Movie』の大ヒット&超ロングランはそれを最も先鋭化したかたちで顕在化したとも言えるだろう。

 ちょうど本日0時に初日3日間の特別上映(劇場の系列によってはIMAX 3D館などでの上映分も)のチケットが発売となり、ファンの間で阿鼻叫喚の深夜の争奪戦が繰り広げられた『スター・ウォーズ フォースの覚醒』も、重要なのはスタート・ダッシュだけでなく、ロングランの中でいかに数多くのリピーター客を獲得できるかが最終的な数字を左右するに違いない。各劇場には『ジュラシック・ワールド』などで見られたような需要と供給のバランスを欠いた上映館の割り当てを繰り返すことなく、観客の視点に立った公正な上映館の割り当てを期待したい。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「ワールドサッカーダイジェスト」ほかで批評/コラム/対談を連載中。今冬、新潮新書より初の単著を上梓。Twitter

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