初登場1位の『バクマン。』、はたして『モテキ』超えなるか!?

『バクマン。』は『モテキ』を超えるか?
国内映画興行ランキング 2015年10月

 

 先週末の動員で初登場1位となったのは『バクマン。』。土日2日間で動員18万4263人、興収2億5160万7900円という成績。東宝配給、マンガ原作、企画・プロデューサーが川村元気、脚本・監督が大根仁といえば、4年前に最終興収22.2億円というスマッシュヒットを記録した「モテキ」とまったく同じ座組である。ちなみに『モテキ』の公開週土日2日間の興収は2億4578万0400円だったので、初動はほぼ同じ。ただし、『モテキ』が276スクリーンでの公開だったのに対して、『バクマン。』は325スクリーンでの公開と、東宝としては『モテキ』以上のヒットを想定していたはずだ。

 原作への深い愛情と理解が作品から滲み出ていて、若手の俳優陣からの信頼も厚い。つまり、日本の大手映画会社によるマンガ原作作品の監督にありがちな受け身の「お仕事」感がないという点で、とても貴重な存在である大根仁監督の待望の新作であること。原作の人気で比較するなら『バクマン。』は『モテキ』よりもはるかにパワーがあること。作品の前評判も非常に高かったこと。それらを踏まえると、この数字は少々意外だった。

 もっとも、「長澤まさみがエロい」「Perfumeが突然出てきて踊り出す」などの仕掛けやギミックが噂になり、作品への評価が賛否はっきり分かれたことでも大いに話題となった『モテキ』に比べると、今回の『バクマン。』は事前の「バズり」という点において少々弱かったか。また、キャスト人気から当てにしていたはずの女性ティーン層にとって、作品のテーマ(恋愛要素の少なさ)のツカミが実は弱かったこと、先週末も2位と相変わらず好調をキープしている『ヒロイン失格』とターゲットがバッティングしていることも影響しているのかもしれない。作品の仕上がりはとても良いので、ここからの健闘に期待したい。

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