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『人生スイッチ』成功に見る、ミニシアター系作品がヒットする条件

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 アルゼンチンで歴代興収第1位という異例の大ヒットを記録し、第87回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた映画『人生スイッチ』が、日本でも7月25日から公開され話題を集めている。ヒューマントラストシネマ有楽町やシネマライズなどのミニシアターで上映中だ。

 本作は6つのショートストーリーからなるオムニバス形式の作品で、窮地に立たされた男女を描くブラックコメディ。本国での爆発的なヒットからもわかるとおり、ターゲットとなる観客層をシネフィルに限定しない作品だ。80、90年代のミニシアターブームのころは、監督の作家性が強く現れた作品が好まれる傾向にあったが、近年は同作のように、一般に受け入れられやすい映画のヒットが続いている。例えば、タイムトラベルの能力を持つ青年が愛や幸福の意味に気付くハートフルなコメディ『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』(2013年)や、幼なじみがすれ違うラブストーリー『あと1cmの恋』(2014年)などだ。

 こうした変化には、どのような背景があるのか。編集者でライターの門間雄介氏は、「ミニシアターで公開される作品の幅が広がった」と指摘。その上で、”ヒットする条件”についてこう語る。

「近年はSNSを筆頭に、”口コミ”の重要度が高まっています。口コミが広がりやすい映画の特徴は、単におもしろいだけじゃなく、一般の人でも語りやすい個性を持っていること。『人生スイッチ』も、アカデミー賞ノミネート作でありながらエグいブラックコメディで、アルゼンチンで史上最大のヒットを記録したという、語りどころの多い作品ですよね。ユーロスペースでロングラン上映されたアレクセイ・ゲルマン監督の遺作『神々のたそがれ』(2013年)も、SNSでは『よくわからないけど圧倒された』などの感想が見られ、個性の強さによって拡散していったことがわかります。昔は、どの監督の作品かという”人”で集客できましたが、今は一般の人でも”作品”を一言で言い表しやすいかどうかがカギになります」

 著名人の批評についても、フライヤーの裏にコメントを掲載するという昔からある手法より、個々がSNSで熱弁しているほうが効果的ではないかと話す。町山智浩や菊地成孔らがネット上で議論を繰り広げて話題になった『セッション』(2014)のヒットからも、その傾向はうかがえる。

      

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