『SAO』シリーズ強し! 最新刊がラノベランキング1位&「プログレッシブ」や「ガンゲイル・オンライン」も登場

SAOシリーズ強し!最新刊がランキング1位

 10月30日公開のアニメ映画『劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア』は、全世界でのシリーズ累計販売部数が2600万部を超える川原礫の「ソードアート・オンライン」シリーズが原作だ。タイトルに入っている「プログレッシブ」は、幾つかあるエピソードのひとつ。Rakutenブックスの週間ライトノベルランキング(10月11日~17日/https://books.rakuten.co.jp/ranking/weekly/001017/#!/)にも、「プログレッシブ」を始め複数のエピソードがランクインして、シリーズの人気ぶりを見せている。

 仮想世界のアバターに、意識だけでなく感覚もすべて移してプレイするVRゲームのソードアート・オンライン(SAO)で、ログインしていたプレイヤーがゲームから出られなくなっただけでなく、ゲーム内で死ぬと現実世界でも脳を焼かれて死んでしまう事件が発生。ゲームを攻略すれば解放されるという条件に挑んだキリトとアスナが、見事に攻略を果たす「アインクラッド編」からSAOシリーズは始まった。

 ランキングの1位となった『ソードアート・オンライン26 ユナイタル・リングV』(電撃文庫)は、「アインクラッド編」の後も繰り広げられた数々のエピソードを経て、第21巻からスタートした「ユナイタル・リング編」の最新刊だ。

 アンダーワールド(UW)と呼ばれ、プレイヤーが操作していないNPC(ノンキャラクタープレイヤー)たちが暮らす仮想世界に引き込まれたキリトやアスナが、長大なファンタジー戦記に匹敵する大冒険を繰り広げる「アリシゼーション編」「アリシゼーション新章 アンダーワールド大戦編」が終了。第2部から登場した新しいVRゲームのアルヴヘイム・オンライン(ALO)に戻ったキリトやアスナを新たな異変が襲う。

 ALOだけでなく幾つものVRゲームのプレイヤーが、ユナイタル・リング(UR)という謎のVRゲームへと強制的に転送されてしまったのだ。キリトもアスナもレベルが1になってしまい、高レベル者向けの武器や鎧を装備したりできなくなってしまう。キリトに至ってはパンツ1枚の姿に。そんなゼロからのリスタートは、長くシリーズが続く中でチート化した主人公たちをリセットし、再び強くなっていく様を見守る楽しさが与えられた。

 アスナを含む仲間たちが拠点にしていたログハウスも、いっしょに転送される途中で壊れてしまって直す必要があり、キリトたちは材料となる丸太や鉄の確保から始めて行く。人気ゲームの『マインクラフト』や『あつまれ どうぶつの森』の初期プレイヤーが体験する苦しさと楽しさも、リスタートによってもたらされたとも言える。

 「ユナイタル・リング編」はその後、ユナイタル・リング攻略と並行してアンダーワールドで起こった異変への対処も絡んでキリトたちを振り回す。ゲーム内の時間で、大戦から200年が経っていたアンダーワールドでの意外なキャラクターとの再会など、キリトとともにこれまでのシリーズを読んできた人には嬉しい展開もたっぷり用意されている。そうした部分が、長大なシリーズを今もランキングのトップに位置させ続ける理由だろう。

 並行して走らせている「ソードアート・オンライン プログレッシブ」シリーズの方も、6月に刊行された第8巻が35位に入っている。キリトがアスナと出会い、共に挑んだアインクラッド攻略の物語を、そもそもの発端から細かく描く前日譚。ゲーム内で死ねば現実世界でも死んでしまうデスゲームの緊張感の中、強くなることに邁進したり、権謀術数に明け暮れたりといったプレイヤーたちの生き様を突きつけられ、居住まいを正される。

 『劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア』は、この「プログレッシブ」をアニメ映画化したものだ。試すようにログインしたSAOに閉じ込められたアスナが、混乱を乗り越えて動き始める中で、キリトと出会うストーリーが映像になる。すべての原点とも言えるエピソードだけにファンなら必見だ。

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