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昆虫採集を無上の喜びとし、農業に勤しむ、一風変わったマルチプレイヤー/コンポーザーの吉良知彦。自然を愛す大らかな人柄からは想像し難いが、彼の作り出す音世界には"精緻"という言葉がピッタリとくる。音色の一つ一つを厳選し、丁寧に重ね合わせていくことで構築されるサウンドは、まさに職人の妙技! 深遠な音響の中からリリカルなメロディが浮かび上がってくる瞬間などは鳥肌モノだ。
86年より、吉良を中心に3人組としてスタートしたZabadakは、ケイト・ブッシュやピーター・ガブリエルを彷彿させるアンビエンタブルなポップスを展開。アルバムをコンスタントに発表する。が、94年にグループのイメージを決定付けていた上野洋子(vo)が脱退。不安も囁かれる中、吉良のソロ・ユニットとなったZabadakは、早くも同年『音』を発表する。カラフルなエレキ・ギターの音色をフィーチャーしたロック・サウンドは、新生Zabadakを高らかに宣言するものであった。以後、吉良自身がすべての曲でヴォーカルを取る『Something In The Air』(96年)、インストゥルメンタル集『十二月の午後、河原で僕は夏の風景を思い出していた。』(98年)など、新機軸を次々と打ち出し、新たな地平を開拓していく。そして00年には、モンゴロイドの流転をテーマにしたコンセプト・アルバム『IKON』を発表し、初期の作品に立ち返ったかのような深遠なナンバーを聴かせた。
自然治癒力をもつようなサウンドで、根強い人気を誇るZabadak……。全く予想の出来ない展開でファンを幻惑するこのユニットには、強い中毒性があるのだ。

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