岡崎友紀の記事一覧

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53年生まれの岡崎友紀は、幼少時よりバレエや日舞を習い、64年には子役としてミュージカル『アニーよ銃をとれ』でデビュー。しかし、彼女を一気にスターダムに押し上げたのは、70年に主演した『おくさまは18才』に始まる人気ドラマ・シリーズであった。以降、数年間に渡りブロマイドの年間売上で1位を独走するなど、まさに一世を風靡したアイドルといえる。
さて、そんなアイドル女優としての印象が強い岡崎だが、今日的な観点からすれば、むしろ注目すべきは歌手としての活動の方である。
70年に「しあわせの涙」でデビュー。その後、ブロマイドの売上ほどの大ヒットには恵まれなかったものの、バート・バカラック作「I'll Never Fall In Love Again」のような雰囲気をもつ前述のドラマ主題歌「おくさまは18才」(70年)や、フィフス・ディメンションの「Up-Up And Away(邦題:ビートでジャンプ)」を下敷きにした和製ソフト・ロックの名曲として近年再評価された「風に乗って」(73年)、めくるめくメロディの展開と秀逸なリズム・アレンジが冴えるクロスオーヴァー歌謡「愛々時代」(74年)など、ポップな佳作を多く残している。また、オリコン最高21位のヒットとなった「私は忘れない」(72年)や「さよならなんて云わないで」(73年)など、70年代の筒美京平作品を語る上で外せない名曲もある。——楽曲の良さはもちろんのこと、岡崎のファルセットを活かしたポップなヴォーカルも魅力的だ。南沙織が竹内まりやと同様のアメリカン・ポップスの影響下にある普遍性をもったシンガーであったなら、岡崎のヴォーカルのポップさは、今日における野宮真貴のそれに類似したカラフルな印象がある。
その後、司会などのタレント活動が中心となり、ソニーの御曹司との結婚・離婚を経て、80年に加藤和彦のプロデュースにより歌手としての復活を印象づけたヒット曲が、最近キタキマユがリメイクした「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」なのであった。 (渋谷俊毅)

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