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Woody Shaw

(ウディ・ショウ)

トランペットで、腹の底から丸太のように野太いロング・トーンを聴かせるかと思ったら、いきなり激しい音を噴き出す(吹きだす)静と動のギャップ。そこから始まるペンタトニック(音列の一種)を縦横無尽に使ったアウト・フレーズ。そのままM18星雲までいっちゃったにも関わらず(ワケわからんとこまでいくこと)、キチンと戻るべきところは戻ってきてくれ、聴く者をホッタラカシにしないそのセンス。技術、歌心どれをとっても一級品だった。
しかし、その運は三級品。生まれつきの弱視で視界はほとんどなく、88年にエイズに感染、そして地下鉄事故による左手切断のダブル・ショックのため、翌年44歳で短い生涯を閉じた。おまけに一般リスナーの評価も、その高い音楽性とくらべると低いものであった。それは、大衆に迎合するようなスタイルの音楽を奏でるわけでもなく、ジョン・コルトレーン(ts)のような孤高の存在にもなれなかったためなのか……。ただ、彼の伝統をふまえつつ音楽を創造していった姿は、多くのミュージシャンの尊敬と思慕の念を集めた。現在活躍しているケニー・ギャレット(as)を始めとして、彼のもとから巣立っていった者は多数いるし、エイズ感染後にはウィントン・マルサリス(tp)らの呼びかけで、彼のためにチャリティー・コンサートが行われたほどだ。
偉大であるが尊大ではないモダン・ジャズの革新者として、多くのアーティストに影響をあたえている彼の演奏は、77年から81年の<CBS>時代が特に素晴らしい。

制作協力:
OKMusic

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