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日本ではあまり馴染みのないヴィニシウス・カントゥアリアだが、実は約30年のキャリアをもつベテラン・アーティストだ。
51年、アマゾンのマナウスで生まれ、6歳の時からブラジル・リオで育つ。69年にロック・バンド「テルソ」を結成し、ドラムスと作曲を担当。テルソはブラジリアン・ロックのパイオニア的存在として70年代初めに人気を誇った。その後、ガル・コスタらのバックを経て78年、カエターノ・ヴェローゾの新バンド「ア・オートラ・バンダ・ダ・テーハ」に参加。以降84年まで7枚のアルバムに参加し、ドラムだけでなくギターやパーカッションの演奏も手がけている。
ソロに転向後はコンポーザーとしても活躍し、92年にリーダー作『リオ・ネグロ』を発表。93年にはブラジル・ロック・シーンのオールスター・ユニット、チグリス・ヂ・ベンガラを結成し、大反響を巻き起こした。
94年以降、N.Y.へ移住。アート・リンゼイとのコラボレーションから坂本龍一と出会い、中谷美紀の1stアルバムにも楽曲を提供したりしている。自身のソロ作『ソル・ナ・カーラ』でもリンゼイや坂本との共同プロデュースが見られるが、収録曲はすべてヴィニシウスのオリジナルによるもの。そのポエティックで繊細な世界観は泣きたくなるほどの美しさを放つ。ポルトガル語の美しい語感、ボサ・ノヴァの洒脱さに、ロック・エイジならではの気骨が潜む彼の音楽は、静寂でいて実にたくましい。

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