Van Der Graaf Generatorの記事・ニュース・画像一覧

70年前後のイギリスで大流行したプログレッシヴ・ロック・バンドのひとつ。同時期のイギリス・ロック界の傾向として（特にハード・ロックと呼ばれるものに顕著だったが）とにかく音量をデカく上げ、これ見よがしのテクニックを見せびらかし、コケ脅し的に大げさなアレンジや効果音を配する——といったアトラクション要素に富んだものが人気者、という雰囲気があった。そんな中、ダダ的なミニマル・サウンドをベースに情緒を排除・抑制したクールなアンサンブルで聴く者にしばしの静寂の快感をもたらしながら、しかし一瞬の隙をついて突発的に赤子が泣き叫ぶがごとき絞り上げ唱法で油断した者の度胆を抜く——という丁重さとやぶれかぶれが同居した奇怪なバンドがまた存在した。それがヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターである。
69〜78年の間に（途中から、バンド名をヴァン・ダー・グラフと省略化）９枚のアルバムをリリース。本国や日本ではいまひとつパッとしない地味な存在だが、ヨーロッパ各国では絶大な人気を誇っており、イタリアではNo.１を奪取したこともあるという。
ヴォーカリストのピーター・ハミルは解散後から現在に至るまでソロ活動を続行中。多くのソロ・アルバムをリリースする一方でライヴにも積極的であり、01年春には３度目の来日公演を行なった。　（小池清彦）