チューリップの記事一覧

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70年、財津和夫(vo&g)を中心に博多で結成。吉田彰(b)、安部俊幸(g)、姫野達也(key&vo)、上田雅利(ds)から編成され、72年シングルに「魔法の黄色い靴」でメジャー・デビュー。当初からチューリップが生み出す卓越したメロディは、多くのビートルズ・チルドレン(ビートルズ・フォロワーのバンド)の中でも群を抜いていた。そして、73年に発表された、「心の旅」が当時のフォークロック・シーンでは異例の大ヒットとなり、一躍スターダムにのしあがる。その後もエヴァー・グリーンな名曲、「銀の指輪」や「虹とスニーカーの頃」を立て続けに誕生させ、「名ポップス職人」として確固たる地位を築いた。また彼らの音楽には、とりわけポール・マッカートニーのような秀逸なハーモニーやメロディを随所に感じることができ、それは、後のアビーロード・スタジオでのレコーディングやカヴァー集『すべて君たちのせいさ』の発表につながっていったのだ。そんなチューリップは、ポップとロック、そしてフォークの垣根を崩し、洋楽志向の自らのサウンドを、日本語で昇華させた先駆者といえるだろう。しかし、メンバー脱退のたびに存続が危ぶまれていた彼らは、89年『ウェル』を最後に解散。その後、財津和夫はソロ活動へと進むが、近年になって期間限定でチューリップを幾度か再結成し、往年のファンを中心に話題を振り撒いている。