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UKシーンはブリット・ポップの隆盛/衰退以降、「良質な新人バンド」の台頭という点では、鳴かず飛ばずの状況を過ごしてきたといえる。そんな状況のなか、トラヴィスは97年にアルバム『グッド・フィーリング』でデビュー。オアシス・フォロアー的な“壮大ロック”に手を染めて、一躍人気を博す。——と、ここまでは当時の新人バンドにありがちなパターンだが、99年に発表された2ndアルバム『ザ・マン・フー』における変貌ぶりはシーンに衝撃を与えた。前作でのダイナミズムは沈静し、極度に内省的な歌詞とメランコリックなメロディが全体を支配。今にも泣き出さんばかりのフラン・ヒーリーの情緒豊かなヴォーカルが、シンプルなバンド・アンサンブルと絡み合う様は、純粋な美しさとある種の厳しささえ感じ取ることができるものだ。
以降、01年に3rdアルバム『インヴィジブル・バンド』、03年に4thアルバム『12メモリーズ』を発表し、シーンに確固たる地位を築いている。