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60年代イギリスの音楽シーンで天才の名を欲しいままにしたスティーヴ・ウィンウッド。彼がスペンサー・デイヴィス・グループ脱退後に結成したのがトラフィックだ。メンバーの変遷や音楽性の変化が目まぐるしいため、イマイチ全貌が掴みにくいこのバンドだが、気の合ったミュージシャン同士が音楽の中を自由に行き来する様子は、フラワー・チルドレン全盛の時代を象徴していた。
トラフィックは、ウィンウッドのソウルフルなヴォーカルを軸として、サイケデリック/アシッド・フォーク/ジャズ/ソウル/インド音楽/スワンプ・ロック/ブリティッシュ・トラッドといった多彩な音楽性を集約し、英国特有の湿気をスパイスにして、誰にも真似できないサウンドを創出。その魅力を一言でいうのなら"緊張感"——メンバーの多様な方向性が、グループをバラバラにする危険を内包しながらも、ギリギリのところで成立しているスリルがたまらないのだ。
『ミスター・ファンタジー』(68年)に始まり『ウェン・ジ・イーグル・フライズ』(74年)に終わる——6年間というの短い歴史だが、ポール・ウェラーやプライマル・スクリームなど、その後のUKロックに与えた影響は計り知れない。
なお、オリジナル・メンバーであるウィンウッドとジム・キャパルディは、96年にトラフィックを再結成、アルバムをリリースし、ツアーも行っている。

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