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映画サントラ『ニュー・ジャージー・ドライブ』(95年)収録の「キャント・ユー・シー」が初のお披露目となった、キーマ、キーシャ、パムの3人組トータルは、その翌年リリースしたデビュー・アルバム『トータル』(96年)により一気に注目を集めることに。
「安易すぎるネタ使い」と「絶妙なストリート感」という対極をなすカラーが、ちょっとした物議を醸した「ノー・ワン・エルス」は、ブギ・ダウン・プロダクションズによる「サウス・ブロンクス」のトラックを、ブレンド手法(既存のヒップホップ/R&Bトラックにアカペラを乗せて曲を創作すること。P・ディディが広めた手法)により大胆にフィーチャー。それはヒップホップ・リスナーの間でも大きな話題となった。
彼女たちは、クールなナンバーでは近寄ってくる男どもを突き放し、甘酸っぱいキュートでスイートなスロー・バラードでは甘えるように女の色気を強調。そして、軽快なミディアム・ナンバーではセクシーさを一変させ活発な歌声を披露した。豊富なヴォーカル・ヴァリエーションと、<BAD BOY>特有の耳なじみのよいサウンドの絶妙なバランス感覚は、そのオシャレなBガール・ファッションとも相まって、性欲を秘める男性陣のみならず多くの女性ファンの心をも掴んだのである。
——しかし98年の2ndアルバム『キーマ、キーシャ&パム』では、プロデューサーに「音の大道芸人」ミッシー・エリオットを迎え、つんのめるような変則ビートを展開。シンコペーション・トラックとヴォーカルの相性の良し悪しが賛否両論の的となり、セールス面において満足のいく結果は得られなかった。以降、彼女たちの噂を耳にする機会は極端に減少。残念な限りである。

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