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若い世代に、黒人文化の音楽的記憶を呼び覚ましたニュー・クラシック・ソウル・ムーヴメント。その中核を担ったのが、ディアンジェロ、マックスウェル、そしてトニー・リッチである。
リッチはシンガー/コンポーザー/プロデューサー/アレンジャー/プレイヤー、全てを1人でこなすマルチ・ミュージシャンだ。また彼のサウンドは、他の2人のソウル路線と異なり、アコースティック・ギターを多用してフォーキーな香りを醸しだしている。しかし、R&B的高揚感を常にたたえ、メジャー・シーンとはつかず離れずの距離を保ちながら活動。見ようによっては、中途半端な位置にいるわけだが、そこが彼の良さでもあり、今となっては、デイアンジェロに大きく水を開けられた要因ともいえよう。
ギャップ・バンドやプリンスからマドンナ、ブルース・スプリングスティーンまで幅広い音楽を聴いていたという嗜好のもち主であるリッチ。彼の1stアルバム『ワーズ』では、R&Bを基調に生演奏をフィーチャーした、どこかAORにも通ずる洗練されたサウンドが展開された。そして、その持ち味が発揮されるのは特にミディアム・ナンバーである。——そんな特徴を凝縮したシングル・カット作「ノーバディ・ノウズ」は、まさに名曲と言えるだろう。
続く、2ndアルバム『バーズアイ』でも、同路線をさらにポップに強調した楽曲群を披露している。

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