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いわゆるロックンロールのフォーマットから自由で、まさに女性ならではの"ロック"、そしてパンクをやったスリッツの登場は衝撃的だった。フェミニズム的にもそうだが、サウンド表現で、旧来のオトコの発想のロックの在り方をくつがえしてしまったのだ。だから今もなお、多方面でスリッツの支持は厚い。
結成は76年で、アリ・アップ(vo、他)/ヴィヴ・アルバーティン(g、他)/テサ・ポット(b、他)/パルモリヴ(dr)にメンバーが固まって動き出す。クラッシュのツアーのサポート・アクトをつとめ、77年と78年にはBBCのジョン・ピール・セッションに出演(このときの模様は約10年後にレコード/CD化される)。パルモリヴは抜けるが(レインコーツで活動)、79年に<ISLAND>からデビュー・アルバム『Cut』をリリースする。この直後にスージー&ザ・バンシーズのメンバーになるバッジーがヘルパーという感じでドラムを叩き、当時マトゥンビというレゲエ・バンドをやっていたデニス・ボヴェルがプロデュース。ロックンロール〜パンク・ロックの固定概念をしなやかに崩した曲、ダブの音処理、ポップでクールな質感、どれもが斬新だった。上半身裸で下半身ふんどしの泥まみれジャケットもグレイト。自分の性の素晴らしさを笑い飛ばして堂々とアピールするみたいなアティテュードは、"割れ目ちゃん"を意味するバンド名にも現われている。
その後、ザ・ポップ・グループとのスプリット・シングルを経て、81年には<CBS>から2ndアルバム『Return Of The Giant Slits』をリリース。ドラムは元ザ・ポップ・グループのブルース・スミスで、ボヴェルらがプロデュース。よりプリミティヴな指向性をうかがわせる傑作だが、その年の12月のライヴがラスト・ステージになった。それからアリは、エイドリアン・シャーウッドがプロデュースしたプロジェクトのニュー・エイジ・ステッパーズでも歌った。 (行川和彦)

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