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かの山下達郎も敬愛するというブルー・アイド・ソウルの最高峰グループ。オルガン/ギター/パーカッション/ドラムスというベーシストがいない特異編成だが、そのソウル・ミュージックに対する真摯な姿勢は他の追随を許さないほど凄まじい。また、単にR&Bスタイルのコピーに終始するのではなく、その精神性を深く追求したところに、このグループの偉大さがある。
まあ確かに、キャリア初期に見せた若さに任せて疾走するような「グッド・ラヴィン」や「アイ・エイント・ゴナ・イート・アウト・マイ・ハート・エニモア」(65年)といったカヴァー群もイイ。しかし、そのアイデンティティが確立されたのは、やはり大ヒット・ナンバー「グルーヴィン」(67年)からだろう。この晴れた日の午後に公園で日なたぼっこでもしたくなるような和み系のナンバーで、彼らは黒人や白人という枠にとらわれない本物の“ソウル”を手に入れた。それも、フェリックス・キャバリエのこの上ないほどクロいヴォーカル/教会の荘厳な雰囲気を漂わせるオルガンの鳴り/単純なメロディさえ切実な願いに変えてしまうエディ・ブリガティのコーラス・ワーク/ファンキーなキース・ムーンと例えたくなるディノ・ダネリの奔放なドラミング/3人の音の狭間を自由に泳ぎまわるジーン・コーニッシュのギター音……といった4人による卓越したインタープレイがあってこそ。
その後もサウンドを進化させ続け、「レイ・オブ・ホープ(希望の光)」「ピープル・ガット・トゥ・ビー・フリー」(ともに68年)といった大きなスケールのナンバーでは、愛/自由/平等などを訴えた。
70年にメンバーのふたり(エディとジーン)が脱退するものの、フェリックスを中心にバンドは72年まで存続。解散してから30年以上になるが、ファンは根強く彼らを愛し続けている。

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