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レインコーツは、70年代後半から80年代初頭にかけてポスト・パンクの状況の英国で、女性バンドの道を切り開いた一つとして知られている。スリッツとは違う形で、しなやかに革命を起こしたのだ。
77年の末、アナ・ダ・シルヴァとジナ・バーチがロンドンのアート・スクールで出会ったことにより、レインコーツはスタートする。60年代のポップスやロックが好きだった2人だが、パンク・バンドを観て勇気をもらい、バンドを始めたのであった。アナとジナ以外はメンバーが流動的ながらもライヴを重ね、<ROUGH TRADE>と契約。元スリッツのパルモリヴがドラム、そしてヴァイオリン奏者も加わり、79年に1stアルバム『The Raincoats』をリリースする。メイヨ・トンプソン(レッド・クレイオラ)が共同プロデュースを行ない、演奏技術を越えたイノセントなプレイが衝撃だった。
81年には、ロバート・ワイアットやチャールズ・ヘイワードも参加した、2ndの『Odyshape』を発表。そして84年には、初期PILのドラマーだったリチャード・ドゥダンスキーも参加した、3rdの『Moving』をリリース。どちらも、演奏力や音作りが上手になりつつピュアな輝きはそのままの傑作だが、まもなく活動が止まる。
しかし、本人たちが知らないうちにレインコーツは後続のアーティストを触発していた。その1人がニルヴァーナのカート・コバーンで、92年頃に大ファンであることを公言し、その影響もあって3枚のアルバムが再発される。そしてアナとジナは、スティーヴ・シェリー(ソニック・ユース)をヘルパーに迎え、レインコーツとして発売記念ライヴを敢行。再び続けてみることになり、96年に『Looking In The Shadows』を出した。不変の瑞々しさに満ちた感動的なアルバムだ。その後、ジナはハングオーヴァーズというユニットを作り、CDも発表している。 (行川和彦)

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