The ピーズの記事一覧

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世間/社会と軋轢しまくった結果、効果的なカウンター・パンチを考える。いっぱしの芸術家や活動家のごとき知性的な振舞い/表現は絶対に無理。だから、簡単でカッコよさそうなロック・バンド。かと言って、音楽的に才能があるわけではない。定職につかずフラフラ、たまに音楽の生活。親、親戚からは疎んじられ、決して消えることのないモヤモヤを抱えながら過ごす日常。バイト、コンビニ弁当、パンク・ロック、カップ・ラーメン、酎ハイ、アダルト・ビデオ、オナニー……を中心に世界が回っていく。「あぁどうしよう俺、将来」なんて呟いたりして……。
そんな日本中にゴマンと存在する「モラトリアム風情のどうしようもない成年男子」に初めて光を当てたのが、ピーズである。究極的にシンプルかつローファイなバンド・サウンドのなか、センズリ/貧乏/冴えないセックス/衰えない性欲/しがない人生について、投げやりかつ脳天気に歌いあげる。「それしか出来ない男」——にしかできない孤高の世界。ドブネズミのごとく美しい。