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ビートルズの昔から俗に「アート・スクール系」ロックの系譜というものが連綿と繋がっているわけだが、パンク期のロンドンを代表するその系統のバンドのひとつがモノクローム・セットである。インドの名家出身と言われるビド(vo&g)、カナダ出身のレスター・スクエア(g)を中心メンバーとし、創設間もない<ラフ・トレード>から79年にシングル「アルファヴィル/ヒーズ・フランク」でデビュー。アート・パンクとでも言うべき会心のシングルを数枚放った後にヴァージン傘下の<ディン・ディスク>に移籍。80年の1stアルバム『ストレンジ・ブティック』は、レスターのギターに顕著なニューウェイヴ特有のぺらぺらな質感、仄かなエキゾチシズム、冷めた衝動を秘めたパンクの残り香などを封じ込め、飄々と粋なポップ・ソングを連発させた傑作である(当時はステージで映すフィルム担当のメンバーもいた)。
その後はレーベルの移籍を繰り返し、<チェリー・レッド>からの3rd『イリジブル・バチェラーズ』(82年)では現在のインディー・ギターポップの原型とも言えるシンプルなバンド・サウンドを、<ブランコ・イ・ネグロ>からの『ロスト・ウィークエンド』(85年)ではギタリストの交替がありながらもキーボードのメンバーも加えてかつてないゴージャスな作りの「ネオ・アコ」サウンドを聴かせた。結局商業的には成功を収められず直後には解散してしまうのだが、ビドのソロ活動やウッド・ビー・グッズのバックを務めたあと、日本での「ネオ・アコ」再評価ブームに乗って再結成、来日も果たした。なお、デビュー前のモリッシーがファンだったという逸話も残っている。 (高取マサシ)

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