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ソフト・ロックの最高峰として名高いミレニウム。唯一のオリジナル・アルバムである『Begin』(68年)は、その先進過ぎる内容がゆえに商業的成功を収めることはできなかったが、年を経るごとに評価が鰻登りに上がり、現在ではクラシックと呼ばれる名作である。
その何が凄いかといえば、現在の耳で聴いても恐ろしいまでにイノヴェイティヴなこと。中心メンバーであるカート・ベッチャーによる不協和音と調和を行き来するマッドなコーラス・アレンジ、テープ逆回しやイコライジングなどサイケデリックな意匠を施したマジカルな音像、そして他メンバー(キャッチーな楽曲を提供したジョーイ・スティック/リー・マロリー/サンディ・サリスベリー、元ミュージック・マシーン組のリズム隊によるファンキーな演奏など)の活躍。——それらのファクターが、当時最先端であった16トラックの録音機材(<コロムビア>が、サイモン&ガーファンクルの『Bookend』と並び最もお金をかけたことで有名)によって最大限に膨張したこの作品は、60年代後半のシーンでも一際、異彩を放っていただろうことは想像に難くない。音楽のスタイル、あるいは消費のされ方は日々大きく変化を続けているけれど、時代がどんなに移ろってもこのアルバムのもつ普遍性は変わらない。——そんな作品なのだ。
なお、00年には未発表作品集がリリースされている。

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