The Lords Of The New Churchの記事一覧

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ザ・ローズ・オブ・ザ・ニュー・チャーチは、元デッド・ボーイズのスティーヴ・ベイターズ(vo)/元ダムドのブライアン・ジェイムズ(g)/元シャム69のデイヴ・トレガンナ(b)/元バラクーダズのニック・ターナー(dr)という、まさにオールスター級の豪華メンバーで81年に結成された英米混成の、いわば「パンクのスーパー・グループ」である。
78年初頭のジョニー・ロットンのセックス・ピストルズ脱退、ダムドの解散をきっかけに、オリジナル・パンクのムーヴメントは現象としては急速に終息に向かった。ポスト・パンクの動きはニュー・ウェイヴとして洗練化/実験化するか、ハードコア・パンクとして過激化するかの二極分化に進みつつあったが、ロードの結成はそうした当時のシーンの状況を背景にしている。
とはいえ(あるいは、であるからこそ)ロードの音楽は単なるオリジナル・パンクの再現にとどまらず、彼らなりのポスト・パンク観を反映したものになっている。ストゥージズやニューヨーク・ドールズなどの元祖パンク的なワイルドなロックンロールを軸に、当時勃興しつつあったゴス/ポジティヴ・パンク的な耽美性を掛け合わせたような音楽を展開したのである。これは当時それなりの新鮮味をもって受け止められた。ロードを形作った要素はダムド、デッド・ボーイズらから少しずつ受け継いだもので、その意味でもそうしたオリジナル・パンク勢からは一歩前に進んだものと評価できるだろう。いわば、のちにカルト(サザン・デス・カルト)が達成したもののプロト・タイプ的な音楽を、ロードはやっていたと言えるかもしれない。
ロードは5枚のアルバムを残し88年に解散した。代表作はやはり1stアルバム『The Lord Of The New Church』(82年)だろう。なお、ヴェイターズは90年にパリで事故死している。 (小野島 大)

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