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90'sブラック・ミュージック界最高のサウンド・プロダクションであるテディ・ライリーにより、彼らの「アウト・スタンディング」を筆頭とした数々の名曲が、R&B/ヒップホップ・シーンの重要なサンプリング・ソースとして用いらているのは、近年有名な話だろう。
ロニー、チャールス、ロバートというウィルソン3兄弟によるギャップ・バンドは、74年にレオン・ラッセルの設立した<シェルター>レーベルより『ファンクの魔術師』でデビューを果たす(結成当初は7人編成の大型バンドであった)。その後、<タトゥー>レーベルに移籍、77年に「アウト・オブ・ザ・ブルー」が小ヒットを記録。だが、彼らが、その真価を発揮するのは「アーリー・イン・ザ・モーニング」(82年)、「パーティ・トレイン」(83年)などが大ヒットを記録した<マーキュリー>レーベル移籍後の80年代である。
スティービー・ワンダー・フォロワーであるチャールスによる繊細なヴォーカル・ワークや、P-ファンクに対抗するような屈強で頑丈なファンク・サウンド——さらに艶やかなポップ・フレイヴァーを備えた心地よいサウンドは、一見それぞれが対極をなすように思えるが、全ての要素がギャップ・バンドというフィルターを通じ絶妙にブレンドされている。この巧みな構成力が最大の特徴であり、ヘヴィでありながらヒット性をはらんだファンク・チューンを放った要因だ。また、メロウなバラードにおいてもゴスペルをルーツにもつヴォーカル・ワークは冴え渡り、甘い歌声による精緻なハーモニーを披露している。
——現在では<レイジングブル>レーベルに移籍し、マイナー落ちはしているものの、都会的で切れ味の鋭いファンク・サウンドを新たなもち味に加え、本国アメリカではキャメオやダズ・バンドとともにはバリバリに活躍中である(ちなみに近年の作品も本当に素晴らしい完成度を誇っています。一聴の価値有り!)。

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