THE COLLECTORSの記事一覧

(58件)

永遠のロマンティスト、加藤ひさし率いるコレクターズ。結成から15年近く経ちすでにベテランの域に達した感のある彼らだが、モッドイズムを保ちながらメジャー・フィールドで活動を続けているのは尊敬に値する。ザ・フー、キンクス、初期ピンク・フロイドといった英国ロックの影響を受けながらもマニアック一辺倒にならず、ポップな大衆性を盛り込んでいるのが息の長い活動の秘訣ではないだろうか。87年にメジャー・デビューし、アルバム数枚リリースした後、小里誠(b)と阿部耕作(ds)が加入。強力なリズム隊を得たコレクターズは、ここに魅力を全面開花させる。好きな娘を想うとスグ涙を流してしまう加藤ひさしのストロング・スタイルのヴォーカルと、込み上げてくる激情を凝縮したような古市コータローの「ジャカジャ〜ン」ギターを中心に、小里+阿部のファンキーでパンキーなグルーヴが織り成すカラフルなロックは、もうモッズの範疇では語れない独自の世界を構築したといえるだろう。——打ち込みやラップのような新機軸には目もくれず、ひたすらロックンロールを追求する彼らの姿には、ポップス・ファンだけでなくミュージシャンからも熱いラブコールが送られている。