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モダン・ジャズにおけるソプラノ・サックスの地位を確立したのがシドニー・ベシェ。その彼を敬愛し、さらにあらゆる可能性を模索したのが、スティーヴ・レイシーである。テナー・サックス奏者が持ち替えとして吹くことの多いソプラノを、メインで使用する第一人者だ。そして、そのスタイルは変化し続けてきた。
50年代初頭はデキシーなどのトラディショナル・スタイル、55年にはセシル・テイラーの下でフリーに転向し、ヴィブラートの少ない野太い音色でアヴァンギャルドに吹きまくるスタイルを完成させる。不思議なのは、尖がったプレイながら騒々しい印象がないトコロだ。若手時代に培った伝統的ジャズ演奏によって、ツボの押さえどころを心得ているのであろう。その後、音楽性の似たギル・エヴァンスと共に前衛的ジャズ・アンサンブルを展開し、60年には奇才セロニアス・モンクのバンドに参加。俗に“ユニーク”と表現される、トリッキーな(特にフレーズの終わりが妙チクリン)モンクの音世界に心酔した彼は、現在に至るまで、その意思を継いだ奇異なジャズを創造し続けている。

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