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“アウトロー”という言葉が、これほど似合う男も珍しいだろう。家出→放浪→麻薬中毒→逮捕→監獄→復活と、波乱万丈な生き様は、まさに開拓時代の孤高のならず者を彷彿とさせる。
スティーヴ・アールは14才で家を飛び出し、長い下積み期間を経てデビューしたのが86年、なんと31才の時だった。カントリーをベースにしたロック・サウンドを展開し、90年までに4枚のアルバムをリリース。なかでも、3rd『Copperhead Road』(88年)が白眉だろう。ヴェトナム戦争や南部の生活などに言及しながら、アメリカの過去と未来を炙り出す傑作に仕上がった。
しかし、ドラッグに耽溺した生活を送っていたアールは、逮捕された上に投獄。そのキャリアに終止符が打たれたかのように思われた。
にもかかわらず、それをきっかけに悪癖をキッパリと断ったアールは95年に不死鳥のごとく復活を果たす。アンプラグドな『Train a Comin'』(95年)を皮切りに、ロック色の濃い『I Feel Alright』(96年)、スーパーサッカーズなど若手バンドとの共演も収められた『エル・コラソン』(97年)、カントリー〜ブルーグラスに回帰したような『The Mountain』(98年)といったヴァラエティに富んだ作品を連発。そして、00年の『トランセデンタル・ブルース』に至っては、アイリッシュ・ミュージックからブリティッシュ・ビートまでを取り込み、ポップに消化した彼の集大成的な作品に仕上がった。
最近では自主レーベルを起こし、若手アーティストの発掘/プロデュースにも精を出すスティーヴ・アール。アルバムをリリースする度に若返るような気さえする絶倫ぶりは、“オルタナ・カントリー界の親分”の名に相応しい。

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