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前衛とは古典主義であり、古典主義とは温故知新だ。——スティーリー・ダンを聴いているとこう思わずにはいられない。ルーツを丹念に掘り起し、ジャズのコード感、ソウルのグルーヴィなリズム、そしてロックの泥臭さなどを精緻に融合/分解。そして自分たちのフィルターを通してから再構築した、奇形ロックとでもいうべきサウンドを生み出した。そういった方法論は、ドナルド・フェイゲンがソロ・アルバムにおいてドリフターズの「ルビー・ベイビー」に新たな息吹を吹き込んだことにも、よく表れている。
また結成当初はバンド形態として活動を開始したが、アルバムを発表するごとにメンバーが脱退——「ドナルド・フェイゲンとウォルター・べッカーのプロジェクト」に姿を変えていった。彼らが本領を発揮したのは、スタジオ・ミュージシャンをフル活用し、頭の中にあるサウンドを妥協することなく再現し始めてからだろう。その中でも『エイジャ』や『ガウチョ』といったアルバムは、今さら説明するまでもない超名盤だ。洗練されながらも退廃的で、クールかつシニカルな視点で描かれた“都市のストーリー”は、20年経った現在でも充分有効であるし、この先も色褪せないだろう。スティーリー・ダンの存在はロック史、いやアメリカ文化史においても余りに大きい。

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