シバの記事・ニュース・画像一覧

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72年、URCからフォーク・シンガーとしてデビューしたシバは、多くの伝説を残している。いわゆる四畳半フォークをまんま体現しているかのような彼は、その行動・生きざま全てが強烈であった。腹が減ると河原に出かけてはタンポポを食し(これが後のシバと高田渡を中心とした「武蔵野たんぽぽ団」の由来となる)、放浪を繰り返した。あるときは東京・吉祥寺から、京都に住む高田渡の家までヒッチハイクを敢行したという。そしてステージでは、毎度寝ぐせ頭が炸裂したまま着たきりで歌っていた。
少年時代から漫画家を志し、永島慎二(名作『フーテン』などで知られる)のもとでアシスタントを経験した後、65年『ガロ』に処女作を発表。漫画以外にも、三橋乙揶のペンネームで書かれた『ガリヴァーの生命起源論』や『笑えいっ!!科学の法則』などで多彩ぶりを発揮した。
そんなシバは、当初音楽面ではフォーク色が強かったが、後世はリアル・ブルースマンとしての認識が強い。セカンド・アルバム『コスモスによせる』では、先達から躍起になって習得したようなブルースではなく、その時々の空気感を閉じ込めたようないたってナチュラルな演奏を披露した。それは、戦前のジャズや苦境時代のアメリカン・フォークすら彷彿させるものであった。一聴するとどこかぶっきらぼうな印象もあるが、その奥底には不器用な優しさがあふれている。

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