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バンド・ブームの火つけ役となった日本のテレビ番組『イカす!バンド天国』、通称「イカ天」に出たことのある唯一のイギリスのバンド……という紹介の仕方はあんまりではあるが、このバンドの気取らぬ庶民性を示すには恰好のエピソードかもしれない。もちろんそれは当時の日本のレコード会社のプロモーション政策の一環だったのだが、はからずもバンドの本質をついていたようにも思う。けれん味のないポップ・パンク〜ロックンロール・バンドとして、マンチェやシューゲイザー全盛の90年代初頭のイギリスで孤軍奮闘していた彼らの音楽は、しかしだからこそ地域の特殊性を超えた普遍性をもっていた。それはマンチェ勢がレイヴ全盛のイギリスという状況認識ぬきには理解しがたい面があったことと対照的だったのである。だがその真価は、グリーン・デイのようなバンドが絶大な人気を得るようになった90年代後半まで理解されることはなかったのである。もし彼らがアメリカのバンドだったら、まったくちがった運命を辿っていたのではないか。
彼らは87年にウエスト・ロンドンで結成され、88年にインディからのミニ・アルバム『Postcard C.V.』で注目を集めている。翌年のレディング・フェスティヴァルに出演するなどして人気を高めた彼らは<エピック>と契約、『First of Too Many』(91年)、『Empire Of Senseless』(93年)、『Taking Care of Business』(95年)と3枚のアルバムを発表するも、3rd発表後のツアーを最後に解散した(ちなみに最終公演地は日本だった)。その後メンバーはジョルト、デラコッタ、ヴェント、3カラーズ・レッドといったバンドで活躍している。 (小野島 大)

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