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Scorn

(スコーン)

パンクがある種のエクストリーミズムを旨としていたとすれば、初期ナパーム・デスこそは、その極北に位置していたバンドだった。パンク〜ハードコア〜スラッシュと、その速度と強度と破壊の更新がいつ果てるともなく続いた80年代後半、突如としてあらわれたナパーム・デスが初期2枚のアルバムで叩き出したグラインド・コアという方法論は、あまりに人間業を超えた速度(BPM800以上!)ゆえ、それらの更新合戦に必然的に終止符を打つことになった。パンク以来のエクストリーミズムは、もはや身体的限界を超えていた速度の追求から重さの追求へと移行し、それ以降ナパーム・デスは「デス・メタル」というアプローチへと力点を移していく。そしてその過程でメンバーが次々と脱退、それぞれカーカス、カテドラルといったバンドを結成していくが、サウンドの要だったミック・ハリスが結成したのがスコーンである。
つまりスコーンは、パンクの方法論が飽和した地点からスタートした、ある意味でもっとも正統的なポスト・パンク的方法論を提示したといえる。そしてハリスが選んだのが、ポスト・インダストリアル的な暗黒ダブ/エレクトロニカ音響だったのは、じつに興味深い事実である。
スコーンは91年にハリスとやはり元ナパーム・デスのニック・バレンのユニットとして結成された。92年の1st『Vae Solis』では、まだインダストリアル的なバンド・サウンドが聴けるが、それ以降はダビーでエクスペリメンタルなアンビエント・エレクトロニカに変貌していく。その後もコンスタントにアルバムを発表しながら次第にリチュアルなテクノ/トランスに移行、現在に至っている。
ハリスはスコーンのほかにもソロ・アルバムを何枚か発表。ビル・ラズウェルやジョン・ゾーンとのユニット、ペインキラーでも活動していた。またミニマル・テクノの俊英サージョンのデビューに力を貸すなど、積極的な活動を展開している。 (小野島 大)

制作協力:
OKMusic

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