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Roger

(ロジャー)

80年代、ついに人類は肉声をデジタル・サウンド化させることに成功した。それをなし遂げたのがファンク・グループ、ザップのメイン・パーソン、そうロジャーである。
ヴォコーダーを駆使するサウンド・メイカー、そしてエンターテイナーとして並々ならぬ才能を発揮したロジャー。彼はジャズからブルースまでもを流麗に弾きこなすギタリストとしての才にも長けていた。が、自身のアルバムのなかで必ずと言っていいほど披露する、ソウル/R&Bのカヴァーで見せるアレンジャーとしての斬新な解釈とそのセンスは、同年代の黒人アーティストたちと比較しても頭ひとつ抜きん出たものだった。特にマーヴィン・ゲイのカヴァー「アイ・ハート・イット・スルー・ザ・グレイプヴァイン」、ウィルソン・ピケットの「ミッドナイト・アワー」、ジェームズ・ブラウンの「パパズ・ガット・ア・ブランド・ニュー・バッグ」など、過去の名曲群を(当時としては)最先端のテクノロジーで新鮮に蘇らせる手腕は見事と言う他ないものだ。
ザップでの活動と並行しながら、ソロ活動も精力的に展開していたロジャー。その活動のなかで幾多もの傑作を世に放ってきた彼であるが、やはりその最たる存在と言えば87年の3rdソロ・アルバム『アンリミテッド!』だろう。このアルバムからカットされ、ヒット・チャートを駆け上がった「アイ・ウォント・トゥ・ビー・ユア・マン」は、ヴォコーダーが効果的に用いられた甘酸っぱいバラード。ロジャーのセンスが爆発した傑作中の傑作ナンバーだ。しかし、そんなソロ・マテリアルも91年の4thアルバム『ブリッジング・ザ・ギャップ』(傑作!)がラスト・リリースに。そして99年、音楽シーンに伝説を積み重ねてきたロジャーであるが、実兄ラリーに撃たれ、悲劇的な死をとげてしまう。

制作協力:
OKMusic

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