Robert Schumannの記事一覧

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シューマンはロマンチストの中のロマンチストであり、理想家で夢想家、寛容で饒舌な批評家であり、そして保護施設で生涯を終えた悲劇の主人公だった。彼は既存の楽曲形式に縛られることなく音楽を創った最初の作曲家であり、「トロイメライ」、「謝肉祭」、「蝶々」といった題名をつけられた作品群は、まったくクラシックらしからぬものばかりだった。残念ながら彼は、演奏を通じて自分の作品を一般大衆に広めることができなかった(指の中でも比較的弱いとされる薬指を強化するための装置を発明するが、それで指を痛めてしまった)。しかし、彼が1840年以前に作曲した作品のほとんどがピアノ曲かリート、つまりピアノ伴奏で歌う歌曲であり、この様式ではシューベルトと並ぶほど有名である。後に室内楽や交響曲などの分野に移行してからも、シューマンの個性が損なわれることはなかった。有名な「ピアノ5重奏曲変ホ短調Op.44」を聴けば、それは明白である。この曲は雄大で生気にあふれ、それでいてもの哀しく、ありとあらゆる感情を同時に聴き手に伝える。静かに下降していく美しいメロディを聴くことができる第1楽章は、まるでピアノと弦楽器がとても辛い物語を語りあっているかのようであり、それでいながら決して品位と勇気を失わずにいる。第3楽章は非常に活発で騒々しく、ここではメロディらしきものの姿を認めることは難しいが、だからといって曲の印象がぼやけてしまうことはない。美しく絡み合ったスケールや、猛烈な勢いで突き進む複雑なリズムによって、聴き手はスリリングな快感を味わうのだから。

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