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UKハードコア・シーンに一時期の勢いがなくなりかけていた80年代の半ば、新世代のバンドが登場して"ハードコア・ルネッサンス"とも呼ばれた動きがあった。その一翼を担ったのが、リップコードである。
英国のイングランド西部で84年の夏に、バズ(g)とジョン(dr)が中心となって結成される。86年にソノシートEP『Damage Is Done』を出し、翌年<MANIC EARS>から1stアルバム『Defiance Of Power』をリリースする。ここまでは勢いで畳み掛ける感じだったが、以前はベースだったスティーヴがヴォーカルに、そして元ナパーム・デスのジムがベースにメンバー・チェンジ。ここで一気に突き抜け、EP『Harvest Hardcore』(88年)やアルバム『Poetic Justice』(89年)といった名作をリリース。しかし、まもなく解散してしまった。
前述したUKの"ハードコア・ルネッサンス"の特徴の一つは、アメリカのハードコアの影響があったことだが、リップコードもその一つだった。むろん伝統的なUKハードコア/パンクを核としつつ、ボストンをはじめとするUSハードコアのエッセンスを活かし、加速させていったのだ。ちなみにリップコードは、ライヴでSSDやシージのカヴァーもしており、スラッシュ・メタルではない"スラッシュ・サウンド"のハードコア/パンクが身上だった。また歌詞の方でも、ポリティカルかつストレートな表現ではあまり書かず、わりと抽象的な内容でもある。
解散後に元メンバーたちは、90年代にキャント・ディサイドやスパイトといったバンドをやる。そして、ヴォーカル以外は後期のメンバーでダムストラックを結成し、カリフォルニアの<625>から01年にはアルバムを出した。(行川和彦)

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