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地球随一のテクノ科学者リッチー・ホウティンは、デトロイト・テクノとシカゴ・ハウスの極端な解釈により、未だかつてない激烈アシッドを考案。92年に自らが設立した<Plus 8>レーベルから、サイバーソニック/サーキット・ブレイカー/フューズ/プラスティックマンなど、数多くの名義によるヒット作を量産し、現代テクノを前進させてきた。——寂滅したミニマル・アートの世界観を昇華させたサウンドに加え、スキンヘッドに黒ブチ眼鏡というフューチャリスティックな風貌、さらにユーモアのセンスも兼ね備えていて言うことナシ! エフェクト/イコライジング/サンプリングなど、エレクトロニック・ミュージックのあらゆる手法を極限まで突き詰める姿勢は、テクノの中のテクノだ。
95年を境に、初期のアグレッシヴ志向はマイナスへと転じ、96年に新たなプロジェクト<Minus>をスタートさせる。Concept名義により、カナダの荒涼とした大平原を想起させるミニマル音響で無我の境地へと招待。「Minus Orange」(98年)では、イエローの「Oh Yeah」を解体再構築し、サンプリングの可能性を追求した。また、96年から活動を停止していた<Plus 8>も00年に復活を遂げ、孤高のミニマリストとして確信に満ちた進歩を続けている。
00年秋に来日を果たした際のDJでは、2台のターンテーブル/リズム・マシン/エフェクターを巧みに操縦。その堂々たる回しっぷりは、90年代の孤独な実験を制した勝利者の風格を湛えていた。彼はテクノのために生まれてきた男だ。

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