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Nihilist Spasm Band

(ニヒリスト・スパズム・バンド)

和訳すれば”虚無主義者けいれん楽団”。すごいバンド名である。政治的な思想をもっているわけではないが、その音を一度でも聴けば、まさにピッタリの名前だと納得するはず。日本のノイズ演奏者にも、音の面はもとよりアティテュードでも影響を与えているバンドなのだ。バンドが結成されたのは65年の夏。カナダのオンタリオ州においてである。翌年、初めて人前で演奏した。それ以来マイ・ペースでライヴをやっていくが、74年からフォレスト・シティ・アート・ギャラリーで毎週月曜の夜に公開演奏会を行う。客の有無は関係なくそれはずっと続いており、驚異だ。
音楽の構造を破壊もするが、それだけではなく、その灰の中から創造することが、ニヒリスト・スパズム・バンドが音楽に向かう一貫した姿勢である。そして、ミシシッピ川河口の三角州地帯の黒人ミュージシャンによるスパズム・バンド同様に、楽器はすべて自家製、もしくは改造されたもの。ヴォイス、エレクトリック・カズー、ドラムス、エレクトリック・ギター/ベースなどの”電子弦楽器”を使い、7〜8人のメンバー全員がリードをとるようなインプロヴィゼイションが基本だ。音楽なのか雑音なのかという感じでもあるが、実際は会話しているように音が絡み合っており、フリー・ジャズや現代音楽から触発された部分もあるようだ。とにかく何も狙わず究極的に自由な演奏だから、音がピュアなのである。
初めて発表した音源は67年の雑誌の付録になったソノシートで、同年には1stアルバム『No Record』をリリース。以降、長いインターバルを置きつつも、アルバムを発表しつづけているのだ。なおほとんどの音源は、日本の<ALCHEMY>がCDでリリースしている。 (行川和彦)

制作協力:
OKMusic

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