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T.V.ジーザス

(ティーヴィー・ジーザス)

下世話さと気高さ。虚像と実像。バカバカしいほどのゴージャス感と、もの悲しげな切なさ。T.V.ジーザスという名前に象徴される二律背反なアンバランス感はそのまま、彼らのヴィジュアル&サウンドの底辺にあるグラム・ロックという音楽が抱えた本質にも繋がっている。
ソロ・アーティストとして活動していた有近真澄と、TRANSISTOR GLAMOURとしてデビューしていた寺本りえ子が出会い、96年に結成されたグラム・ロック・デュオ。デビュー作となるミニ・アルバム『THE BIBLE ep』はピチカート・ファイヴの小西康陽がプロデュースしており、実際彼らの間には形態だけでなく共通するテイストがあるが。T.V.ジーザスの方はファッショナブルで洗練された感覚を持ちながら、同時に往年のグラム・ロック特有の匂いや80年代ニューウェイヴっぽい感覚もたっぷり含んでいるので、聴いててどっかしら懐かしくもある。
ことさら”電気ギター”であることを強調するような粗く歪んだ——T-REXを彷彿させるブギーのリズム。70年代のデヴィッド・ボウイに唄わせたいような、気怠さと憂いを孕んだ美しいメロディ。そういったものをロック・バンドとしてでなく、デュオという形態でやることによって新しい質感のグラマラスなポップへと昇華している彼ら。それを唄う、中性的な色っぽさを湛えた寺本りえ子の声も魅力的だ。

制作協力:
OKMusic

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