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Clingon

(クリンゴン)

いきなりだが、「珈琲」は超のつく名曲だ。毎年、何千何万とリリースされるCDの中でも一際異彩を放つ出色のナンバー。——70年代風の音像やポップスとしての完成度もそうだが、何よりも歌詞にある「苦い恋は ミルクと砂糖を混ぜて 一気に飲み干すのでしょう」というフレーズにヤられてしまった。そして、ソーダ水/ネオン管/秋桜といった言葉で描かれる世界は“平成”ではなく“昭和”であり、イメージする風景は“カフェ”ではなく“喫茶店”である。しかし、レトロという後ろ向きのベクトルではなく、ヴィンテージといった方がシックリくる時間軸を超越した存在感を放っているのだ。それは、60’sポップ/スワンプ/シンガー・ソングライター/ソフト・ロック/ニュー・ソウルといった過去の遺産に、分け隔てなく等距離感覚で接することが出来る、90年代ならではの感性をもち合わせているからに違いない。——Clingonのシティ・ポップは、ドロップされた瞬間にクラシックとしての生命を宿している。

制作協力:
OKMusic

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