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Starving Artists Crew

(スターヴィング・アーティスツ・クルー)

ハイパーかつ前衛的な音楽性を持ち味とする(ジェイ・ディラ在籍時の)スラム・ヴィレッジや、ワジード率いるプラティナム・パイド・パイパーズらが、デトロイト・ヒップホップの特色を標榜しているとしたら、ノスタルジックな色に塗りたくられたスターヴィング・アーティスツ・クルーの面々は、今もって、いったいデトロイトというどこかうら寂しい土地にどんな看板を掲げたいのか? 彼らのミドル〜ニュースクール・テイストが色濃い音色は、ニューヨークという土地への憧憬やサウダージにも似た懐古主義の一端を示すものだろう。もしかしたら、進んだテクノロジーの産物=デトロイト・テクノや、巨大マーケット=ヒップホップのアイコンとして君臨するエミネム(やD12)へのカウンターとして、彼らは狭小的な視座で、そしてサンプリングという昔ながらの手法(美意識)で、自分たちのサウンドをクリエイトしているのかもしれない。……いや、そうに違いない。
このナードな白人4人(白人だというのも面白い。そして彼らの音楽がもっとも受け入れられているのが日本人、引いては黄色人種である事実も興味深い)は、一時期日本のオークションで1万円を超えたデビュー・ヴァイナルEP『アーティストリー・オリジナル』とアルバム『アップ・ポップス・ザ・サック』(03年)で、サンプリング手法の未知なる可能性を示したかったのだろう。しかし、そこにあるフレッシュさ、たおやかさ、潤沢っぷりは、郷愁的な趣が蔓延っているものだ。そんな作品から、明日のヒップホップを占うことなど到底不可能である。

制作協力:
OKMusic

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