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Joykiller

(ジョイキラー)

T.S.O.L.は、少なくても80年代初頭はカリフォルニアを代表するパンク・バンドの一つだった。その黄金時代のヴォーカリストのジャック・グリシャムが82年ごろにT.S.O.L.の抜けたあと、カテドラル・オブ・ティアーズ、テンダー・フューリー、ボディーズなどを経て結成したバンドが、ジョイキラーである。
元ガン・クラブ〜ウィアードスのビリー・パーソンズ、元ヴァンダルス〜アドルセンツのクリス・パーソンズなど、旧知の間柄の人もメンバーとなったが、ジャックらはデモ・テープを作り、これまた旧い付き合いのブレット・ガーヴィッツに渡す。そしてブレット主宰の<EPITAPH>から、95年にデビュー作『The Joykiller』をリリース。以降コンスタントに、『Static』(96年)、『Three』(97年)を発表した。以上のプロデュースはT.S.O.L.も手がけていたトム・ウィルソンで、どれも<EPITAPH>の中でも埋もれがちな佳作である。
ジョイキラーのサウンドのキーを握る一つが、ピアノだろう。いわば、ピアノが隠し味のグッド・パンク・ロックであり、グッド・ロックンロールなのである。もちろん90年代のスピード感をもっているし、心地よいポップ感も十分。スポーティなパンクにはない深みは、味のあるヴォーカルにも現われている。そして歌詞は、ポリティカルな歌やラヴ・ソングも含む、日常の人間関係で感じたことのようだ。時代に流されない音楽がジョイキラー。だから、数十年後に聴いても素晴らしいはずである。(行川和彦)

制作協力:
OKMusic

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