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ナズやラキム、スカーフェイス、タリブ・クウェリ、ジザらの共通点は? そう、彼らは一般的にリリシストと括られるラッパーたちである。もちろんこれらのタレントはただリリシストなだけではないが。だが、もっとじっくりシーンを俯瞰してみると、リリシストが彼らだけでないことが分かる(そんなことは当たり前か)。リリシストを語る時、世間にほぼ無視されているラッパー、ラス・カス。個人的にはこのウェッサイ・シーンのヴェテラン・ラッパーとN.Y.のマッド・スキルズ(現スキルズ)辺りがトップ・クラスのリリシストだと思うのだけれど、どうだろう? 少なくとも、彼らがもっと語られるべきアーティストであることは間違いない。
さて、あまり目立つ存在ではないラス・カス(ネーミングはアフリカの王ラス・ラスから)だが、彼のライミング・テクニックは相当なものである。滑舌よく発せられた言葉を正確無比なタイミングのリズム感でビートに乗せていったかと思えば、そのなかでわざと調子を崩したり、語感を変えたり、そういったフェイント/ギミックも大いに披露する。そういうメリハリはかなりの口達者でなければ不可能なワザだ。また彼が自分のラップを引き立てるために採用するトラックは、東海岸風味の極太なビートのもの/ユルいグルーヴが渦巻くメロウなもの/乾いたビートが特徴のウェッサイ・ファンク・テイストなもの……など実にカラフル。それでいて、ラップとの違和感を少しも覚えさせないのだから、そのスキルはブリリアントだ。
最後に余談を。飲酒及び薬物使用下での運転により逮捕状が出ていたラス・カスだが、裁判所の命令にも従わずにとりあえず逃亡。アルバム(ミックステープ?)『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(捕まえられるモンなら捕まえてみな)などをリリースした。が、晴れて(?)この犯罪者ラッパーはお縄を頂戴し、刑務所に。リリックを100曲分も書きながら約2年もの刑期を終え、05年現在、目下新作のレコーディングを行っているという。

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