Psychic TVの記事・ニュース・画像一覧

サイキックTVはスロッビング・グリスルの発展形として始まったユニットであり、ジェネシス・P-オリッジとピーター・クリストファースンというふたりのオリジナル・メンバーを継承している。引き続き、ポップ・ミュージックのパロディ（『20ジャズ・ファンク・グレイツ』に明らか）と扇動的なノイズの可能性を追求し、初期の作品では「苦痛の劇」的な美学でインダストリアルの原型としての名声を打ち立てている。しかし『アレゴリー・アンド・セルフ』がリリースされた88年には、すでにピーター・クリストファースンはバンドを去っており、ジェネシス・P-オリッジはエレクトロニック・ダンスという新たなフィールドでの実験を進めた。トリッピーなリズムとポストモダンなサンプリングを増幅させた彼流のアシッド・ハウスで、P-オリッジは向精神薬（彼の場合は「精神根絶薬」か？）、オカルト、カットアップ＆リミックスというポストモダン理論などの引用を続け、未来の儀式的音楽という名の妄想を描き続けたのである。