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ポップス・ステイプルズといえば、ファミリー・グループ=ステイプル・シンガーズを率いたリーダーであり、父親であり、独特のトレモロ・ギターと穏やかな歌い口でグループをシーンの寵児にまで引っ張り上げた重要人物である。
15年にミシシッピ・デルタのプランテーションに生まれた生粋のブルース育ちである彼は、50年代よりステイプル・シンガーズを率いゴスペル畑で活躍。さらに、60年代後半には<STAX>と契約、見事にソウル・グループへと転身して見せた。彼らが70年代に放った「アイル・テイク・ユー・ゼア」「リスペクト・ユアライフ」「レッツ・ドゥ・イット・アゲイン」といったヒット・ナンバーたちを知らないソウル・ファンは皆無だろう。
ソロ・アクトとしては遅咲きで(<STAX>時代にスティーヴ・クロッパー、アルバート・キングとともに制作した『ジャムド・トゥゲザー』というアルバムもあるが)、87年に72歳という高齢にして、ローカル・レーベルながらも初の正式なソロ・アルバム『ポップス・ステープルズ』をリリース。そして92年には、ライ・クーダー/ジャクソン・ブラウン/ボニーレイット/ウィリー・ミッチェルといった錚々たるゲストたちを迎えたメジャー・デビュー盤『ピース・トゥ・ザ・ネイバーフッド』を発表した。ブルース〜ゴスペルという自身のルーツに立ち返ったこの作品で見られる、世代を超えたミュージシャンたちとの共演が、ポップスに新たな活力を与え、滋味深いながらもダイナミックなサウンド群が創出された。さらにソロ3作目『ファーザー・ファーザー』(94年)では、78歳にしてグラミー賞を受賞するという快挙さえも成し遂げた。
ファンとしてはこのまま現役バリバリに活動して欲しかったのだが、そんな願いも虚しく、00年末に大往生を遂げる。享年85歳、今はただ安らかに眠って欲しい。

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