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70年代後半、すっかり芸能界でスターとなっていたチャーが、改めて自らのロック・ギタリスト資質に火を点けるべく、メンバーを厳選しまくって結成したスーパー・グループ。ドラムスは元イエローのジョニー吉長、ベースは元ゴールデン・カップスの加部"ルイズ・ルイス"正義(当時すでにミュージシャンを廃業し、サンフランシスコに移住していた彼を、チャーが説得しまくったのは有名な話)と、チャーがテクニックだけでなくルックスからフィーリングから雰囲気から、ありとあらゆる面にこだわって漕ぎ着けたバンドだけに、結成当初からすでに並ならないオーラを放っていた。
79年に正式に結成——当時はシンプルにジョニー、ルイス&チャーと名乗り、デビュー・ライヴを雨の日比谷野外音楽堂で無料で敢行。当然場外まで客は溢れ、センセーショナルな第一歩を飾る。その時のライヴ盤『Free Spirit』(当初から廉価で発売)を皮切りに着々と活動を重ね、88年にピンク・クラウドと改名する頃には、代々木体育館を満員にするほどの人気を誇るようになっていたのである。
ピンク・クラウドでのチャーは、ジミ・ヘンドリックス的なトリッキーでパッショネイトなギター・プレイを存分に発揮しており、リズム隊2人のシュアーでありつつ歌心にも富んだビートの追い風を受けて、自由自在なプレイをさらに爆発させていた。
メンバーの生活リズムの違いから(朝型/夜型という意味。音楽性の違いでは無いそうな)、94年9月16日に解散ライヴを武道館で行なう。たっぷりとジャム・セッションを展開しおもむろに曲に入っていくやり方は、この世代ならではのロックの醍醐味を凝縮したものであった。翌日17日には、今度はジョニー、ルイス&チャーとしてデビュー時と同じ日比谷野外音楽堂にて、これまたデビュー時同様大雨の中でのフリー・コンサートを行ない、15年の幕を劇的に閉じることとなった。 (小池清彦)

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