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一般的に「60年代にブルースを白人聴衆に広めたのはUKのグループである」というのが定説だ(確かにそういう側面もある)。しかし、彼らの存在を忘れてもらっては困る。ティーンネイジャーの頃よりシカゴのゲットーに出入りし、モノホンのブルース・ジャイアントたちからハープの手ほどきを受けたポール・バターフィールド。彼が率いるブルース・バンド、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドのことを。
バターフィールドの他にも、マイケル・ブルームフィールドとエルヴィン・ビショップというふたりのギタリストを擁し、さらにハウリン・ウルフのリズム隊が脇を固めたこのグループは、65年にデビューを果たした。レコードでしかブルースを学ぶことができなかったUKのそれとは大きく異なり、本場仕込みのハードコアなサウンドを展開した彼らの登場は、当時のミュージック・シーンに大きな衝撃を与えたといえる。特に、バターフィールドの堂に入ったハープ捌きと並び、ブルームフィールドの突き刺すように鋭いギター・プレイは、白人ブルースの最高峰とまで賞賛された。そして傑作との誉れ高い2作目『イースト・ウェスト』では、即興を基盤とした長尺演奏にインド音楽などの要素もふんだんに組み入れ、後のサイケデリック・グループに多大なインスピレーションを与えることにもなった。
67年にブルームフィールドは脱退してしまうが、その後もグループは72年まで活動。晩年はホーン・セクションを導入するなど、R&Bやジャズなどに傾倒した自由度の高いサウンド群を響かせた。
解散後のバターフィールドはウッドストックに拠点をおき、ベター・デイズを結成。より高いステージにおいて音楽的冒険へと出発した。一方、ポール・バターフィールドが87年にドラッグのオーヴァードーズで亡くなったのは、ご周知の通り。

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