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パット・マルティーノはジャズ・ギターのパイオニアだ(ジョン・コルトレーンがジャズ・サックスにおけるそれであるように……)。大衆性はないが、一部のファンから熱狂的な支持を得ている。
63年にデビューし、オルガン奏者とのコラボレーションによってそのスタイルを確立(彼の肉声のような太い音色はオルガンのイメージによるものかもしれない)。次々と意欲的な作品を創っていった。大きな流れで言うと60年代はビ・バップ、70年代はフュージョンといったところ。代表作は、ジャケットに仏画を用い、東洋色を打ち出した『イースト』(68年)、インド音楽に接近した『バイヤイナ』(68年)、12弦ギターを駆使してテクニックの限界まで挑戦した『デスペラード』(70年)などで、ジャズ・ギターを根城にさまざまな音楽を取り入れ、研究/求道していった。その演奏技術は他を圧倒し、まるで空間を埋め尽くすように音をちりばめる——ゆえに、“マシンガン奏法”や“空間恐怖症”などといわれていた。彼を尊敬するミュージシャンはたくさんいるが、いまだ彼の境地まで到達する者はなく後継者は不在である。
80年、脳動脈癌による記憶喪失で再起不能といわれたが、87年に『ザ・リターン』で奇跡の復活。そんな逸話も彼を神格化するものとなった。現在でも圧倒的なテクニックでギター・ジーニアスとして君臨し、多くのギター小僧の羨望の眼差しを集める。

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