Ninjamanの記事・ニュース・画像一覧

80年代後半〜90年代初頭のジャマイカのダンス・シーンは、とにもかくにもニンジャマン一色だった。何と言っても見た目がカッコイイからね！　鍛え抜かれたしなやかな体躯を誇り、しかも名前が「ニンジャ」ときた（笑）。また時には、「神風」（もちろん漢字）と書かれたハチマキまで巻いてくれる、サービス精神旺盛なワルである。おまけに前歯にはお決まりの金歯をかぶせ、ケンカ上等とばかりにシャバ・ランクスを始めとするDJたちを歯に衣着せぬ罵詈雑言で思いっきりこきおろす。他のDJたちはいつニンジャの標的になるかとヒヤヒヤしていたというほど、ニンジャのDJコンペティション（DJ同士がアドリブも交えて口げんかさながらのライヴをすること）は恐ろしいものだったのだ。
怖いもの知らずの「ダン・ガーガン」は、ジャマイカ中の女の子を虜にし、男どもはそのクールなスタイルをこぞって真似た。タフなリリックをキャッチーなトラックに乗せて「マーダー・デム」「ティング・ア・リング・ア・リング」といったシングルを次々に大ヒットさせ、ジャマイカのサウンド・システムで彼の曲を聴かない日はない——というほどの大盛況ぶりであった。ラガマィン＝バッドなイメージを作り上げた彼の功績は、はかりしれないほど大きいといえるだろう。