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"英国のザ・バンド"、ブリンズリー・シュウォーツ解散後、ニック・ロウは、ソロ・アクトとプロデュース活動を同時に開始。彼が幼い頃より親しんだ英国ロックと米国50'sポップスへの愛情溢れる楽曲に、時代を席捲しつつあったパンク/ニューウェイヴ風味を加味し、ソリッドかつキャッチーな作品を次々に生み出した。また、諧謔精神溢れる歌詞も彼の魅力の1つと言えるだろう。大ヒットを記録した「クルエール・トゥ・ビー・カインド」(79年)では、そんな彼ならの毒の効いたポップスを聴くことができるのだ。一方、プロデューサーとしてもエルヴィス・コステロ、レックス・エリック、ダムドといった多岐のジャンルに渡るアーティストを手がけ、プリミティヴな感触を大切にした音作りで手腕を発揮。
また、ソロ活動以外にも、80年のデイヴ・エドモンズとのユニット、ロックパイル、90年には、ライ・クーダーやジョン・ハイアットなどとルーツ・ロック・バンド、リトル・ヴィレッジを結成し、課外活動にも積極的に力を入れた。
そして90年代に入ると自身の活動も脂にのり、ベテランらしい枯れた味わいの作品をコンスタントにリリース。持ち前のシニカルやポップ・センスは薄れるものの、ジャズやカントリーなどのルーツに根ざしてヴォーカリストとしての魅力を重視した楽曲を披露した。シンプルな曲構成ではあるが年輪が深く刻まれたサウンドは、聴きこむほどに味わい深くなる。表現の熟成により傑作しか生みださないという意味では、ヴァン・モリソンと共に現在もっとも神の領域に近いアーティストと言えるだろう。

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