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ナット・アダレイはいつもお兄ちゃんと一緒。なんだかとってもカワイイ奴です。決して“トラの威を借るキツネ”ではありません。非常に“優しい男”であり、それを前面に出した演奏が持ち味。ただ、強烈な個性が競われるシーンでは地味な存在になってしまったが……。
チャーリー・パーカー(as)の再来と謳われたキャノンボール・アダレイの3歳違いの弟で、トランペット/コルネット奏者。ジャズ・シーンにおいてジョーンズ兄弟、ブレッカー兄弟、マルサリス兄弟など“兄弟プレイヤー”はたくさんいるが、そんな中でも最も仲のいいのが彼らだろう。天才兄貴と共に組んだバンドはファンキー・ジャズ路線まっしぐらで、ハード・バップ期を代表するバンドになった。そして、彼は作曲面でも才能を発揮。特に「ワーク・ソング」はこの時期を代表する曲となり、他のバンドでもよく演奏されるスタンダード曲になったのだ。
兄貴の大好きなナットは75年にキャノンボールが亡くなったのを機に、ガックリして長い間演奏意欲を失ってしまったが、最近はヴィンセント・ハーリング(as)という兄貴そっくりの新人を得て、意欲的に演奏活動を開始。息子のように彼をかわいがっている。
やっと元気を取り戻した彼だが、最も脂ののった演奏を聴かせてくれるのは、やはり50年代から60年代だろう。キャノンボール名義だが『キャノンボール・アダレイ・イン・サンフランシスコ』(59年)や『マーシー・マーシー・マーシー』(66年)などでは、プリプリと躍動感の溢れるプレイを聴かせてくれる。

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