なぎらけんいちの記事一覧

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52年4月16日、東京銀座生まれ。70年、中津川フォーク・ジャンボリーにて「怪盗ゴールデンバット」を引っさげデビュー。72年にファースト・アルバム『万年床』を発表。以降数々のアルバムを制作するかたわら、映画・テレビ・ラジオ・執筆活動など多方面で活躍している。95年、なぎらけんいちが執筆した『日本フォーク私的大全』が出版されたが、これは日本の70年代フォーク・シーンを知る上で大変有効なツールに仕上がっている。その本の中でも語られているが、彼はあくまでもリスナー側の視点に立っているという。そのため作品からは、先達への憧れやフォーク自体を愛してやまない純真さが感じられる。彼にとってフォークとは、少年時代から憧れ続けている音楽であり、その思いが作品にも率直に表れているのだ。また、73年に「葛飾にバッタを見た」がヒットしたが、世間のコミック・ソングという扱い方に彼は悩んだという。落語や漫談といった日本の古典芸能を踏まえた世界観は、世間の評価を偏ったものにしてしまったのだ。しかし、フォークやカントリー、ラグタイムなどに対する憧憬はこの作品にも色濃く感じられるし、アメリカン・ルーツ・ミュージックと日本の伝統的な笑いを融合させたセンスは、「古きよきもの」を守っていこうとするピュアな愛情が感じられる。

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